相続の準備を考えるとき、どうしても「いくら残せるか」「どれだけ税負担を減らせるか」といった数字に意識が向きがちです。
『論語と算盤』第二章「立志と学問」の中で、渋沢栄一は「富は精神の向上とともにあるべきもの」と説いています。
これは、お金の豊かさだけでなく、それが社会や人のためにどう活かされるかが重要であるという考え方です。
相続の場面でも同じことが言えます。
例えば、相続税を抑えるために不動産を細かく分けた結果、使いにくい土地が残り、かえって次の世代が管理に困ってしまうことがあります。
また、節税を優先するあまり、家族間で十分な話し合いが行われず、後に不満が生じるケースも見られます。
一方で、将来の暮らしや家族の関係を見据え、「誰がどの財産を持つと無理がないか」「どのように活用すれば社会にも役立つか」といった視点で整理していくと、結果として納得感のある相続につながります。
富を残すことと、その意味を考えることは切り離せるものではありません。
いまの選択が、次の世代や社会にどのような影響を与えるのか。
その視点を持つことで、これからの相続のあり方をより良いものへしたいものです。
(2026.3.23)
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