相続の準備を進める中で、自分や周囲の状況の変化によって、思い通りに進まないことは少なくありません。
『論語と算盤』第一章「大丈夫の試金石」の中で、渋沢栄一は、「逆境に出会ったときには、その原因が人為的なものか、自然的なものかを見極めることが大切だ」と述べています。
人生には順調な時ばかりではなく、思いがけない逆境に直面することがあります。
もし自分の行動や判断によって生じた人為的な逆境であれば、まずは自らを省みて、改めるべき点を改めることが必要です。
一方で、社会の変化や時代の流れなど、自分の力ではどうにもならない自然的な逆境であれば、焦って抗うよりも状況を受け入れ、来るべき機会に備えて努力を続けることが大切だとされています。
人生には浮き沈みがあり、天災のように努力だけでは乗り越えられない不運に見舞われることもあります。
しかし、そのような時期を耐えながら歩み続けることで、人は少しずつ逆境に向き合う力を養っていくのではないでしょうか。
相続の場面でも、税制の変更や不動産の状況、家族それぞれの事情の変化など、突然の出来事に直面することがあります。
感情や状況が大きく揺れる中で、冷静に物事を整理し、次に進むことは簡単ではありません。
だからこそ、日頃から自分の状況を見つめ、将来への備えを整えておくことが大切です。
逆境の時こそ、人の姿勢が試されます。
相続に向き合う準備もまた、人生の浮き沈みに備える一つの営みとしたいものです。
(2026.3.10)
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