相続の場面でよくあるのが、不動産を子ども同士の「共有名義」にするケースです。
「平等に分けたい」
「とりあえず共有にしておこう」
そう考えるのは、ごく自然なことかもしれません。
しかし実際には、この“とりあえずの共有”が、将来の大きな負担につながることがあります。
たとえば、親が住んでいた家を兄弟3人で共有した場合。
・売却したい人
・残したい人
・貸したい人
それぞれの考えが違えば、話は簡単にはまとまりません。
不動産は、預金のようにきれいに分けることが難しい財産です。
しかも共有名義になると、売却や大規模修繕などで、共有者全員の同意が必要になる場面もあります。
年月が経てば、さらに状況は複雑になります。
共有者の誰かが亡くなれば、その持分はさらに次の世代へ引き継がれます。
すると、関係者が増え、「誰が管理するのか分からない不動産」になってしまうことも少なくありません。
こうした問題を避ける方法の一つが、「信託」という考え方です。
信託では、不動産の管理や処分の権限を、信頼できる人へまとめて託すことができます。
たとえば、
「子どもの一人が管理役となり、必要に応じて売却できるようにしておく」
そんな形も可能です。
もちろん、財産そのものを誰のために使うかは、契約で決めておくことができます。
つまり信託は、「財産をどう分けるか」だけではなく、
“どう管理していくか”
まで考える仕組みでもあります。
相続では、「公平に分けること」も大切です。
しかし同時に、「将来、困らない形に整えておくこと」も、とても大切なのかもしれません。
(2026.5.25)
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