障がいのあるお子さんを持つ70代のご夫婦は、「自分たちがいなくなった後、この子は大丈夫だろうか」と不安をお持ちでした。
ご家族は、
・長男(会社員)
・長女(障がいがあり、福祉サービスを利用しながら生活)
の2人きょうだいです。
ご夫婦としては、「長女が安心して暮らし続けられるようにしたい」という想いがある一方で、「長男に負担をかけすぎたくない」という悩みも抱えておられました。
財産としては、
・自宅不動産
・賃貸アパート
・預金
がありましたが、単純に相続するだけでは、
・誰が管理するのか
・生活費をどう支えるのか
・将来、長男が亡くなった後はどうするのか
といった問題が残ります。
そこで活用したのが、信託でした。
契約内容としては、
・委託者:父
・受託者:長男
・受益者:父 → 父亡き後は長女
・信託財産:賃貸アパート・管理用預金
という形です。
長男が賃貸管理やお金の管理を担い、その収益を長女の生活費や支援費用に充てていく内容にしました。
さらに、「長男に万が一のことがあった場合は、長男の子が次の受託者になる」という承継まで定めています。
このご家族が大切にされていたのは、「財産を平等に分けること」だけではありませんでした。
むしろ、“家族みんなが、無理なく支え合える形を作ること”でした。
信託というと、節税や資産管理のイメージを持たれることがあります。
しかし実際には、「親の想いを、家族で引き継いでいく仕組み」として活用されることも少なくありません。
障がいのあるご家族への支援は、短期間では終わらないこともあります。
だからこそ、「誰に、何を、どう託していくのか」を、元気なうちから少しずつ整理しておくことが、将来の安心につながります。
(2026.5.28)
相続対策のご相談を中心に、「何から始めればいいか分からない」という段階からのサポートを行っています。