「まだ元気だけれど、そろそろ管理を任せていきたい」と考える、70代の賃貸不動産オーナーがいらっしゃいました。
所有されていたのは、駅近の賃貸マンション1棟。
長年ご自身で管理を続けてこられましたが、
・修繕判断
・入居者対応
・契約更新
・銀行手続き
などに、少しずつ負担を感じ始めておられました。
一方で、近くに住む長男は、以前から賃貸経営にも関心があり、休日には管理を手伝うことも増えていました。
ご本人としては、いずれは長男へ任せたいという気持ちがある一方で、生前贈与で渡す際の贈与税が気掛かりでした。
そこで活用したのが、信託です。
契約内容としては、
・委託者:父
・受託者:長男
・受益者:父
・信託財産:賃貸マンション1棟
という形です。
これにより、賃貸マンションの管理や契約手続きは、長男が担当できるようになりました。
一方で、賃料収入は引き続き父が受け取ります。
つまり、「管理は子どもへ少しずつ任せながら、生活はこれまで通り続ける」という形です。
さらに、ご本人が亡くなった後は、長男へ受益権を承継する内容も定めました。
このご家族では、
・修繕の相談
・管理方針
・将来の相続
について、生前から自然に話せるようになったそうです。
相続対策というと、「亡くなった後に財産をどう分けるか」というイメージが強いかもしれません。
しかし実際には、“元気なうちに、少しずつ役割を引き継いでいく”ことも、とても大切です。
信託は、単に財産を管理する仕組みではなく、“家族で無理なくバトンを渡していくための仕組み”として活用されることもあるのです。
(2026.5.28)
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